中村 確かに近ごろでは住民の地域への参加活動が少なくなっていますが、あいご会(子ども会)への参加率は全国平均の37%に比べて、鹿児島では80%と第1位ですから、まだまだわが県には残っていると思います。ただその機能を生かしきっていないことが、地域全体の力の底上げにつながっていないと感じています。
寿 3人の子どもを育ててきた母親としては、人とのふれあいが大切だと感じます。なんと言っても核となるのは家庭です。親子の会話やふれあい、そして学校では友達や先生とのふれあいがきちんとできることで、地域力の向上につながると思います。
田中 本県には約3000人の警察官がいますが、全ての道路に立ち、子どもたちを見守ることはできません。地域住民やボランティアの方々の力が必要となるのです。けれど、それでも完全とは言えません。子ども自身に危険を回避する力をつけさせる時期に来ていると思います。
―基調講演の中での「場所」そして「コミュニケーション」。この2つのキーワードについてお聞かせください。
中村 ありがたいことに田上では都市化が進んでも、地域の力を強く感じることができます。まずはあいさつですね。学校を介しての異年代のコミュニケーションは、高い塀や防犯カメラを用意することより、犯罪抑止する大きな力になります。
寿 道いっぱいに広がって歩いていた子どもが、たった1本道路に引かれた線だけで、きちんと1列に歩くようになりました。大人が「場所」を変えることで、子どもたちの心も変わることを実感しました。
横矢 子どもたちには豊かな潜在能力があります。例えば中学・高校生に、小さな子どもや老人を支えるような活動の場を用意してあげれば、社会の一員としての役割に喜びを感じ、自分の住む街に愛着を持つようになります。あくまでも主体となるのは子どもたち。大人はサポートするだけでいいのです。
小宮 異年代のコミュニケーションといえば、薩摩の郷中教育、いいですね。実はこうした縦のつながりは大きな力を持っています。子どもの安全だけでなく、非行防止にもなり、被害者作らず、加害者も作らない働きがあるのです。ぜひ21世紀の郷中教育を鹿児島から発信してほしいですね。